myimage-nomal歌手の水前寺清子さんはデビューして約1年後、ステージでの事故で左膝の靭帯を断裂してしまいます。
 
このケガの後遺症から、水前寺さんは「腱脱臼」がクセになります。

これは、ちょっとしたことで左脚の腱が外れてしまう症状で、
 
「五寸釘を打ちこまれるような激痛」
「息をするのも辛い」

 
ほど痛みます。
 
これがいつ起きるかわからないため、水前寺さんはいつも左脚をかばい、右脚だけを使って生活していました。
 
しかしこのバランスを崩した生活は、腰に少しずつダメージを溜めていきました。
 
 
2013年ごろから、立っていると両足先がひどく冷たくなり、そのうちしびれて左脚の感覚を失うようになってきました。歩いていてもしびれてくるので歩けなくなり、しゃがんで一休みしてまた歩く、と歩行に支障をきたしていたのです。
 
さらに深刻だったのは、ステージの本番中にいきなり転ぶようになったことです。いずれもどうにか切り抜けましたが、さすがにショックだったそうです。
 
しびれは悪化する一方で、感覚がマヒしていつ転ぶかわからない状態です。ステージのメンバーにも「転んだらサポートしてね」と頼んでいました。
 
これはいけない、と病院で検査を受けると「腰部脊柱管狭窄症」と診断されました。タレントのみのもんたさんや、落語家の桂歌丸さんも悩まされた症状です。
 
医師から「4~5年後には歩けなくなり、車いす生活になる可能性もあります」と、手術を勧められました。
 
かなり悩みましたが、「いつまでも不安でいるより、さっさと手術をすませて早く元気になろう」と決心し、2014年6月に入院、手術を受けます。
 
その結果、手術は無事に成功。ある程度動けるようになってからは一日10~15分ほどのリハビリを始めました。
 
ヒハビリのストレッチや歩行訓練などは「こんなにラクでいいの?」と感じつつも、毎日「昨日より良くなっている」との実感があったそうです。
 
仕事のスケジュールから、入院期間を1週間短縮し、3週間で退院します。そして退院から5日目にステージに復帰するのです。
 
手術から5ヵ月後には、足のしびれや感覚麻痺は完全に無くなりました。普通に歩けて、転ぶことも全くありません。不安もなくなり、思う存分歌えるようになったそうです。
 
 
水前寺さんは

「病気をしたとき、”どうしよう”と怖がるか、”早く元気になろう”と前向きに受け止めるか、人それぞれです。
 
医学がこれほど進歩している現代は、病気を恐れ、我慢する時代ではないと思う。迷わず治療を受け、早く元気になったほうがいいですね」

と語っています。
 
雑誌「きょうの健康」2015年2月号10~13ページを参考にしました。