「まるでクリスタルのような歌声」「百年に一人のハイ・コロラトゥーラ」と呼ばれる日本人オペラ歌手がいます。
その名は田中彩子さん。
ウィーンを舞台に活躍している声楽家です。
ハイ・コロトゥーラを出すため条件とは?
ハイ・コロラトゥーラとは、ソプラノよりもさらに高い音域のこと。
管理人の貧困なイメージでは、「オペラ歌手には大柄な女性をしばしば目にする。そんなに高い声を出せるのなら、田中さんも体が大きいのかな?」と考えたのですが、田中さんは華奢な体つきです。
実は、高い声を出すには体も軽いほうが適しているそうです。
私のような種類の声の持ち主は、小柄な人が多いんです。オペラ歌手は体が楽器ですから、高い声を出すには声が軽くないといけない。
ジャンプと一緒で、高く飛ぶためには体もある程度軽くしておかないとだめなんです。
ウィーンでの経験と良い声を保つ秘訣
田中さんは三歳からピアノを始めますが、自身の小さい手に悩まされます。高校卒業後、恩師の勧めで訪れたウィーンで、天性の声を見出され、これが大きな転機になります。
ウィーンでの最初の4年間はとにかく辛かったです。語学学校に通いながら、生まれて初めて歌のレッスンを受ける日々。
オペラ歌手として活動していけるかどうか、ずっと不安でした。
22歳の時、初出場したコンクールでスカウトされ、スイスのベルン州立歌劇場でソリストデビューを果たします。ヨーロッパのオペラハウスを中心に、活躍の場を広げています。
よい声を保つ秘訣は、普段からたっぷり寝ること。
舞台上では声が出やすいように、ドレスの下は下着をつけず体を締め付けないようにしています。
2014年秋にはデビューアルバム「華麗なるコロラトゥーラ」をリリースし、日本での知名度も上昇中です。
このコンテンツは雑誌週刊文春2016年7月14日号132ページを参考にしました。