銅には、強い殺菌効果があります。
銅の表面では、湿度などに応じて強い酸化力を持つ物質が生じます。その物質は細菌のDNAを壊し、殺菌作用を発揮するのです。
銅の抗菌・抗ウイルス効果 ボウフラを死滅させる作用も
この作用を利用して、病院のドアノブやベッドの柵、廊下やトイレの手すりなどに銅製品を用いて、院内感染を防ぐ試みが進められています。
細菌だけでなく、ウイルスの不活化にも銅は効果的です。
銅板に触れたインフルエンザウイルスは、1時間後には75%、6時間後には99.97%が死滅します。厄介なノロウイルスでも同程度の効果が期待できます。
銅は蚊の発生も防ぎます。
ヒトスジシマカのボウフラ25匹を、水を入れたガラス容器と銅製容器それぞれに入れます。
すると、ガラス容器のボウフラは9割が羽化して蚊になりましたが、銅製容器のボウフラは全て死滅します。
この効果は、容器に10円玉を入れておいても発揮されます。
銅による蚊対策は、南米で流行しているジカ熱を解決する一助になるかもしれませんね。
ちなみに、銅に発生するサビ、緑青はかつては猛毒と言われましたが、いまでは毒性はほとんどないことがわかっています。