オカッパリ、ゴムボートやフローターときたら、やっぱりアルミボートに乗りたくなるもの。
熊本ではボートを使えるフィールドがあまりありませんが、私もご多分にもれずアルミとエレキを購入してしまいました。
しかし私のボート初体験は、かなり大変でした。^^
以下にまとめるので、興味があったらお読みください。
アルミ・エレキ一式を買って速攻怯む いきなり萩尾へ
アルミボートとエレキを買ったのは99年の6月。
99年に入ってから6ヶ月間、一月5~6万円の貯金を続け、35万円貯まったところで一式買い揃えました。
内訳はこんな感じ。
ボート クイントレックスPUNT-10
エレキ ミンコタ44ATマクサム無段
バッテリー ボイジャー105A
チャージャー 10A
その他 シート、ドーリー、キャリアなど
しめて338200円なり。
熊本市内の野田にあった、ピボットというボート屋さん(三号線沿い)で買いました。
(このコンテンツ作成時点では無くなっていて、確かラーメン屋さんになっています。店員さんが親切で感じが良かったのですが)
ものすごく暑い日でした。店員さんに手伝ってもらいつつ、汗をかきかきキャリアーを車にとりつけたものです。
ちなみに当時の私の車はなんと乗用車で、白のブルーバードでした。それにアルミボートを乗っけていたのです。
アルミボートを積んだ、怪しい白のブルーバードを萩尾で見かけたことがあるなら、それは間違いなく私の車だったはず。
車にボートを乗せる手順を教わったのですが、アルミボート(クイントレックス・パントの10フイート)を車に乗せた時、正直こう思いました。
エライもん買うてしもた…(汗)
金額もさることながら、ボート本体、エレキ、シート、バッテリーなどの一式が当時の私には何とも大かがりなのものに感じて圧倒されてしまったのです。
「やっとボートを買えた~♪」という喜びより「こりゃもてあましそうだな・・・」というヘタレ心の方がどう考えても勝っていました。
1人でもボートの積み下ろしができるよう、船体が軽めのを買ったつもりだったのですが、この作業がまたえらく大変でした。
暑かったし、腹が減っていたというのもありますが。
こうした不安を抱えつつ、なんと私はそのまま萩尾へ向かいました。買ったその日にいきなりボートを水に浮かべるつもりだったのです。
ビビりまくりの運転から地獄のセッティングへ
空はいまにも雨が降りそうな気配。アルミボートやエレキ一式を積むと、さすがに重い。
車自体にパワーが無いのもあり、かなりのスローペースで三号線を走りました。あまりスピードを出すと積んでるボートが落ちるのでは?とビビリまくっていたのです。(ちゃんと積めば高速も走れます)
なにせ運転の要領がわからないのです。しかも乗用車に積んでるので「なんか違う」気がして、やたら人の目が気になりました。
なんだかんだで運転中、ものすごいストレスを感じました。あんな状態でよく萩尾まで走ったものです。
萩尾溜池に着く直前には急な上り坂があります。そこはローギアでしか登れませんでした。
心配していた雨も幸いなことに降らず、なんとか萩尾まで着きました。
しかし、ここからがまさに地獄の始まりだったのです。
まず、車を停める場所からいきなり迷いました。
乗用車で重量もあるし、スタックしないかな?
ボートを降ろすにはどんな停め方がいいのか?
後ろ下がりの方がいいかな?
ていうか、どこで上げ下ろししてもいいのだろうか?
などなど。
そりゃもう迷いしかない。
迷った挙句に停めた後は、ボートを降ろすのがこれまた一苦労。ドーリーの取り付けからおっかなびっくり。
なによりキツかったのは、乗用車なので降ろす時にはどうしても後ろのトランクにボートがあたってしまうこと。
結局はトランク上部をダンボールでカバーして解決。(このやり方はずっと続けることになります)
どうにか地面に降ろせたものの、とにかく重いし、要領がわからずに大苦戦しました。
そうこうしているうちに、猛烈にハラが減ってきました。
これからセッティングして、水に浮かべて、ボート走らせて・・・
この時点で初めて、撤収の際にはこれと全く同じことを逆の手順でやらなければいけないことに気付きました。
空腹も手伝って、ちょっと気が遠くなってきました。
セッティングでも操船でも大わらわ
アルミボートをセッティングしていて・・・
ハラは減る。 夕方で暗くなってきた。 風は強い。 雨も降りそう。
撤収では同じことをしないと帰れない。
正直、やめたくなりました。
でも、なぜかセッティングをする手が止まりませんでした。全てが初めての経験だったのでとことんどんくさかったし、要領もなにもありません。
なぜやめなかったのか?
多分、意地だと思います。萩尾までわざわざやってきて、このままノコノコ帰れるかという意地。
どんくさいながらも、セッティング終了。進水もどうやらできました。
処女航海だったにもかかわらず、感動よりもしんどさが勝っていたところが哀しい。
水の上でも大わらわでした。
初めてエレキを操作したときは、とにかくまっすぐ進めません。
蛇行しまくり。
この時も「えらいもん買うてしもた」と痛感しました。
エレキを操作したことのある人には当然のことですが、エレキには「ここに合わせておくとまっすぐ進みます」といった基準はありません。
エレキのスクリューの向きはまっすぐでも、方向は必ず右か左に曲がります。
少しずつ左右に微調整しながらまっすぐ進む、という感じで操船しなくてはいけません。
私はこれを知りませんでした。
考えてみれば車でもそうなのですが、ボートではそれが極端に出ます。
速度が少しでも上がると、ボートがグルグル湖上で回り出し、かなりラフでファンキーな(←?)操船になります。
当然私のボートもムチャクチャな動きをしました。
エレキのつま先側を踏み込んだ時と、かかと側を踏み込んだ時でどちらに曲がるかも全くわかっていなかったのでそれはもうヒドイもの。
スピードを出し過ぎてターン状態になり、落水しそうになったことは一度や二度ではありません。(これはある程度操船に慣れてからでも起きました)
そうやってしばらくエレキと格闘しました。
せっかく湖に出たのだからもう少しボートで遊んでいたかったが、空腹と疲労、そしてなにより夕暮れが私に望郷の念を強くさせました。
平たく言うと、帰りたくなったのです。
座礁しないかと過剰にドキドキしながら接岸し、クタクタのボロボロでしたが、何とかセッティングをバラしました。
そして根性でボートを車に載せ、ストラップをかける。人間、限界と思っても力は出るものです。
しかし、そこからまた三号線を通って、ボートを置く予定にしている倉庫(仕事で使っていた)まで車で走っていたら、マジで体がもたないと思いました。
夕方のラッシュアワーです。楽勝で1時間以上はかかるでしょう。
そこで私はかなり思い切った決断をします。
無謀にも高速で帰宅を選択
なんと私は高速を使って倉庫まで帰ることにしました。もちろんアルミボートを積んだ状態で、です。
萩尾に来るまでにあれほどドキドキしたのに、高速を走るとは何とも無謀なことを考えたものです。
アルミボートに掛けたストラップを念入りにチェックしてから萩尾を後にし、私は松橋インターから上り線に乗りました。
当然のことながら、加速は遅い。時速80kmに達するのにも、相当な距離走りました。
そして何より、ボートを積んだ状態で高速を走ると、
「グオォォォ~」
って感じでものすごい音がするのです。
これはかなりコワイ。
初めての私には非常にキツいプレッシャーになりました。
さらに、スピードが出て風をきるようになると、ボートにかけたストラップがバタバタバタと振動し始めます。
「ストラップがはためくということは締め方が甘いのかな?」なんてことも当然心配になってきます。(実際には、左右のバランスや締める強さがすごくうまくいかない限り大体はためきます)
スピードは当然、安全運転の時速80km。それでも「ボートは落ちないかな~」という不安は尽きない。
「熊本市男性、アルミボートを高速道路に落とし大事故引き起こす」なんてニュースに出て赤っ恥さらしている絵が冗談でなく頭に浮かびます。
しかし、私にプレッシャーをかける要素はこれだけではありませんでした。
乗用車にボート積んで高速走行中 なんと豪雨に遭遇!
なんとここにきて雨が降り出しました。しかも相当猛烈なやつが。
6月だったので夕立ではないと思うのですが、とにかくワイパーも追いつかないほどの豪雨。
もう私はプチパニック状態で、車のスピードはさらに落ちました。車の中で「勘弁してくれ~」と半泣き状態でした。
松橋インターから、私がよく利用していた益城熊本空港ICまでは、時速80kmだとちょうど15分くらいかかります。
その15分がなんと長く感じたことか。
クーラーをつけるとパワーが落ちるので、窓を開けて冷房無しの走行でしたが、雨が降ってきたので窓を閉めなきゃならない。
車内は蒸しブロ。もうベッタベタの汗だくになりました。
高速を降りるころに雨の勢いは少し衰えましたが、止むことはありませんでした。
ようやく、ボートの保管場所である倉庫までたどり着きました。
空腹でボートが持ち上がらない
これからアルミボートを倉庫に入れなくてはなりません。
倉庫の入り口はちょうどボートの幅だけ。
空腹と疲労に加え、何よりここでも要領がわかりません。車をどのように入り口につけるのかという段階ですでに考え込みました。
結局、入り口にはバックでつけました。
ボートの幅が入り口キッチリなので、長さのあるボートを入れるのはかなり大変でした。しかも最後は車とボートに挟まれる形でボートを押さなければいけません。
倉庫内のいろんなものにぶつかりながら、いよいよボートを壁に立てかけるところまで押し込んだのですが・・・
ボートが持ち上がらない(´Д`)
ハラが減って力が出ません。
内臓を抜かれたように、腹のあたりが虚ろに感じる。
完全腰砕け状態。
「もっとパワーをつけとくべきだった…」と悔やみつつ、頭や額、顔面など全てを駆使してボートを倉庫の壁に立てかけました。(イメージトレーニングは何度かやってましたが)
その後、備品類を倉庫に入れて、ようやく収納完了。
いや~、大変でした。
こうして私のアルミボートデビューは終わった。正直、かなり悲惨でした。
その後もアルミボートについてはかなりキツイ思い出が多いのですが、結構いろんな所に行っています。
市房ダム、松原ダム、下筌ダム、などなど。もちろんブルーバードで。
当時やっていた仕事はやめてしまったため、ボートは今実家に置いてあります。最近はフローターばっかり。
そのためアルミに乗りたい~と強く感じる今日この頃です。やっぱりエレキはいいよなぁ。
モーターガイドとミンコタの比較
エレキといえば、モーターガイドとミンコタ。
メディアでは圧倒的に多くモーターガイドを目にしますが、私はミンコタだけしか使ったことがありません。
エレキを買ったときのショップの人に「ミンコタがいいですよ」と勧められたからで、実際に使ってみた感想としては、ミンコタで特に不満を感じたことはありません。
何より、壊れないのです。
メンテなどはほとんどせず使いっぱなしですが、実に快調。
私が持っているのは無段階タイプ(ミンコタ44ATマクサム)で、魚探と同じバッテリーから電源を引いていましたが、魚探には全然干渉せず。
ミンコタとモーターガイドを比較したサイトを昔見たことがあって、そこではミンコタに軍配を上げていたと記憶しています。
難点らしきものを挙げるとすれば、ちょっと重いかな?と感じることくらい。(最近のは改良されているかもしれません)
釣りをするまえのセッティングや、釣りの最中にエレキを上げ下げするときは、ヨッコラショって感じで扱ってます。
テレビでバスプロがモーターガイドを使ってるところを見ると、かなり軽々と扱っているように見えます。
プロともなると上げ下ろしの回数がハンパないはずなので、エレキが軽いことは必須条件なのかもしれません。
多くのバスプロがモーターガイドを使っているのはこのへんの理由からでしょうか。