平成27年(2015年)の1月、コメディアンの萩本欽一さんが駒澤大学仏教学部の社会人特別入学試験枠を受験し、合格したのは多くの方がご記憶ではないでしょうか。
それでは、萩本さんがなせ大学受験を決意したかはご存じでしょうか?
その理由は
認知症を予防するため
だったのです。
萩本さんは、平成28年現在74歳。
物忘れが増えて当然ですが、萩本さんによると・・・
「年をとったら、忘れるのは仕方がない。だから、忘れることを予防したりはしない。
その代わり、こっちから新しい知識をどんどん入れてやる。そして、最終的にプラスにできればいい」
そこでこう考えました。
「プラスにするにはどうすればいいかを考えた。
まずは目標を持つこと。そして、覚えたことがプラスになっているかどうかを判定してもらうこと。
大学では定期的に試験があって、そのたびに判定してもらえる。それで、大学受験をすることにしたんです」
とはいえ、70歳を過ぎての受験勉強は、さすがにすんなりとはいきませんでした。当初は脳が働くのを拒否していたそうです。
萩本さんはどう対処したのでしょうか?
「受験勉強を始めたとき、最初は脳がいやがっているのがわかったの。やめてくれ、もうそんなに働く気はないって、拒絶サインを出して抵抗していたんだよね(笑)。
でも、記憶するのってコツがあって、まず忘れることは気にせず、新しいことをどんどん覚えていったの。そしたら、4ヶ月たったくらいで脳が根負けして動き出した。
仕方がない、また働いてやろうって気になったんだろうね」
萩本さんがあるテレビ番組で脳を調べたところ、脳のいろいろな部分は老化していましたが、記憶を司る部位は30代と判定されました。
筋肉と同様、脳もいくつになっても強化できる、という良い例ではないでしょうか。
「ためしてガッテン」Vol.29 2015・2016年冬号95~98ページを参考にしました。