かつての人気テレビ番組「料理の鉄人」の審査員として「料理記者歴40年」と紹介されていた岸 朝子さんは2012年現在88歳、「料理記者歴57年」になりました。
料理記者として最も大事なことは、
「自分で料理を作れること」
だそうです。
岸朝子さんと料理・食事
「料理記者ではなくても、誰だって料理を作れることは大事。料理を学ぶことは、生きる術を身につけるということですから」
戦後の食糧難の中、結婚して主婦となった岸さんも、限られた食材をやりくりして毎日の食事を作っていました。
小麦粉が手に入ったら、当時珍しかったシュークリームを焼いたりしたそうです。
これが評判になり、ご近所の結婚式で作るよう頼まれ、皮を紅白にしたシュークリームを出したことも。
2011年末に受けた健康診断で、全く問題なしだった岸さんは「美味しく食べて健康長寿」がモットーです。
とはいえ、好きなものを好きなだけ食べて良い、と考えているわけではありません。
今日食べすぎたら翌日は少し控える
昼食で野菜が足りなかったら、夕食は野菜を多めにする
という工夫で帳尻を合わせます。
食事で意識しているバランスと「おいしゅうございます」
昔から食事では
肉1 魚1 野菜と果物で5
のバランスを意識していて、そのおかげか、食べ歩きもお酒も大好きなのに太りすぎたことがありません。
「基本さえ守れば健康も体重も維持できるのですよ。自分の頭で病気にならない食事を考え、自分の口に入れるものに責任を持つ。
そういう意識を皆さんに伝えていきたいのです」
ちなみに「鉄人」でおなじみとなった「美味しゅうございます」のフレーズは、岸さんによると
「私のような大正生まれの人間であれば、普通に使う言葉」
なのだとか。
いまどきの「うめぇ」「ヤバい」なんて言葉を使うと、親から叩き出されたそうです。
雑誌「からだにいいこと」2012年7月号 124~127ページを参考にしました。