数年前、お腹の具合が猛烈に悪くなったことがあります。
胃が捻じれるような感覚を何度も味わい、消化機能が明らかに普通でない実感があったのです。
空腹感もなくなって、「コレはヤバいかな?」と感じるほど下痢が続きました。
私の腹具合を壊したもの、それはストレスでした。
さすがにこのトシになると、ストレスはこれまでに数え切れないほど経験していますが、この時のはなかなか強烈でした。
ストレスに対処するのは非常に厄介です。ひたすら耐えるしかない、というケースも多いものです。
しかし生きていく上でストレスは避けられません。「必ずあるもの」と言えるでしょう。
それでは、ストレスを受けた時の対処法は確立されていますか?
カゼをひいたら、水分を多くとる、十分に休養するといった対応をしますね。しかしストレスの場合、何もせず、ひたすら耐える、というケースが意外と多くありませんか?必ず起きるのであれば、それに対応する手段は多くて困ることはありません。
カゼと同じように、何らかの対処をすればストレス(の症状)は軽減されるはずです。
私としては、「ストレスは陰にこもって、ひとりで抱え込んではいけない」と考えているので、誰かに話すか、どこかに出かけて発散するようにしています。
それに加えて、ヨガの呼吸法っぽいことをやっています。
「声に出して読みたい日本語」などの著書がベストセラーになった、明治大学文学部の齋藤孝教授はストレスに次のように対処するそうです。
「ストレスがたまる状態というのは、だから逆にいえば、からだによけいな力が入っている状態でもあります。
(中略)
ストレスを逃がしていく手としては、息をスーッと吐き続けるという方法があります。
人は呼吸をゆっくりすると、自然に落ち着いてくるものです。
僕は背骨で呼吸するというイメージでやっています。
これは、全身が相当ゆるんでいないと、そのイメージが感じられませんが、背骨一つ一つが呼吸の通りによって、何か伸び縮みするというイメージをつかんで呼吸するんですね。
これもからだのよけいな力が抜けた状態になりますから、効果があります。」
(「古武術で目覚めるからだ」73ページから引用しました)
呼吸はあまりにも”普通の動作”になっているので、改めて意識されることはありません。しかし呼吸の仕方はメンタルにダイレクトに反映されます。
心の平穏は呼吸によって左右されるといっても過言ではありません。
ストレスを受けている実感があるなら、齋藤教授の呼吸法を試してみてはいかがでしょうか。