別の記事で、「私がバス釣り中に起きた災難といえばロッドを折られたことくらい云々…」という意味のことを書いてますが、もうひとつありました。
先日プレデターをいじっていたら思い出しました。
完全無欠の失敗談なので、反面教師としてお読みください。
プレデターが木にフッキング→煽ったら自分にフッキング
それは某ダムにアルミを積んで友人二人と釣りに行ったときのこと。
リザーバーでアルミを使えるということで、私はかなりウキウキしていました。熊本市内に住んでいると、リザーバーにアルミを出す機会はなかなかありません。
当時の私はミノー(シャッド)に凝っていて、特にプレデターが大好きでした。
「やっぱりリザーバーならミノーだろ(←?)」ということで、当然この日もプレデターのトゥイッチから始めました。
するとラッキーなことに、いきなり一匹ゲット!サイズは小さかったのですが、「やっぱリザーバーはいいなぁ」と一気にテンションが上がり、ますますプレデターを投げまくりました。
調子に乗って投げていたら、そのうち別ボートに乗った友人が「ちょっとタバコを取ってくる」とボートを降ろした場所まで戻って行きました。
周りに人がいなくなり、リザーバー特有の良い雰囲気の中、「いい感じだなぁ」とプレデターを投げたら、思いっきりテンプラキャストになってしまいました。
それでも意外と飛距離が出て(20mくらい?)、はるか遠くの木の枝の、かなり高いところに思いっきり引っかかってしまいました。
いまならミスキャストして「ヤバイ!」と思ったらスプールを押さえるなどの対処をすると思うのですが、その時はリザーバーに来たうれしさで舞い上がり、調子に乗っていたのでしょう。
それまでいい気分だったのが一気にヘコんだのと、同時に「友人が帰ってくる前に早いとこ外さなければ」というしょうもない見栄から、私は冷静な判断力を失っていました。
私はその場から(つまり20mくらいラインを出したまま)ロッドをあおり、ルアーを外しにかかりました。
ルアーが見えていたので、浅く引っかかっているだけならすぐ外れるだろうと考えたのです。
バシッ、バシッとロッドを数回あおったら、確かに運よく外れました。
ただし、ものすごい勢いで。(゚ロ゚;)
陳腐な表現ですが、まさに矢のようにこちらに飛んできたのです。
いま振り返ってみても本当に一瞬の出来事で、「危ない!」と思う間もありませんでした。
何もできないまま、プレデターがバシッ!と右腕にヒットしました。
ハードルアーのパッケージなどに「ルアーが木などに引っかかった際、強くあおるのはルアーが飛んできて危険です」といった意味の注意書きがありますよね。
あれはマジです。
私の場合、20mくらいの距離はあったはずなのに、何の反応もできませんでした。というより、身体が固まったように動かなかったのです。まったく無防備の状態でプレデターが直撃しました。
「???」
頭の中がパニックになって、一瞬何が起こったかわかりませんでした。
衝撃を受けた右腕を見て初めて、長袖Tシャツにプレデターのリアとフロントのフックが両方刺さっているのが理解できました。
とりあえずはリアを外す。カエシが付いていたので、刺さった箇所は布地が少し破れました。(こういうのは全く気にしない)
簡単に外れたリアに対して、フロントはなかなか外れない。というより、何か手ごたえがヘン。
しばらくいじってみて、ようやく事態が飲み込めました。長袖に隠れてわからなかったのですが・・・
…右腕にフックが刺さっとる!(゚ロ゚;)
右腕肘の上にグッサリ 痛みは?
ここまで読んで下さったなら、「腕に刺さったんなら、痛みですぐ気付くだろ!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし不思議なことに、針を抜くまで不思議と痛みは感じませんでした。刺さった場所も関係しているのかもしれませんが。
長袖が邪魔して刺さった状況がよくわからなかったので、ラインカッターで強引に袖を破りました。
すると、フロントフックがひじの少し上のところに刺さっているのが判明。何ともヘンなところに刺さったものです。
ベンド部分あたりまでグッサリ刺さっています。貫通はしていない。
上に書いたように、痛みはなぜかほとんど感じませんでした。ちょっとしたショック状態にあったのと、アドレナリン(?)か何かが出ていたのでしょうか?
自分のひじにフックが刺さってプレデターがぶら下がっているという気持ちワルさだけがありました。
それほど痛くなかったので意外と冷静だったのか、外してみようとしばらくはあれこれ一人でやってみました。
腕の外側、ひじの少し上あたりの肉をちょっとつまんでみて下さい。刺さったプレデターを軽く引っ張るとそんな感じでした。
しかしあれこれやってはみたものの、カエシまで刺さっていることもあって何の進展も無し。
こうなったらあれしかない。
釣り雑誌などでよく紹介されている、一旦フックをカエシまで貫通させ、カエシ部分からペンチで折るというアレだ。
幸いペンチは持っていましたが、刺さった場所がヘンだったのと、フロントフックだったので自分ではやりにくく、友人の手を借りる必要がありました。
とりあえずはフックを貫通させなければならない。
もちろん初体験。
そこで私はちょっと意外な体験をします。
人間の肉・皮膚は意外とカタい フックがなかなか進まず
そうこうしているうちに友人が帰ってきたので事情を話し、協力してもらうことにしました。
といってもフック貫通を助けてもらうわけにはさすがにいかず、これだけは自力でやってみました。
ルアーのフックというのは非常に鋭く、針を刺し進めるのは簡単というイメージはないでしょうか。
しかし・・・
人間の肉・皮膚というのは意外と硬いのです。スッと刺さっていくだろうという予測はあっさり裏切られました。
力を入れにくい体勢を余儀なくされ、針が進みません。
かなり力が必要だとわかり、ルアーのフックにグイッと力をこめます。
腕に刺さったフックを力任せに貫通させる絵は、ホラー映画ばりに気持ち悪かったはず。見ていた友人もかなりヒいていました。
不思議なことに、こうした作業中もなぜか痛みはほとんど感じませんでした。ただひたすら気持ち悪さだけがありました。
もう少しで貫通、というところでまた針が進まなくなりました。皮膚でつっかえているのです。肉よりもさらに皮膚が硬いのを身をもって体験しました。
最後のひとふんばりで力をこめると「プチッ」という音がして(確かしたと思う)針が貫通しました。
カエシまで通して、とりあえず一仕事完了。我ながらよくやった。
あとはカエシ部分をペンチで折るだけ。自分ではできないので友人にペンチを託します。
フック除去その後と今回の教訓
刺さったのがヒジで、しかもフロントフックなので作業は困難でした。
そして当然のことながら、かなり力を込めないとフックは折れません。またもや「腕にルアーが刺さった状態で力を込める」わけです。
友人が覚悟を決めて、グッとペンチを握りしめます。
手元が狂ったらどうしよう・・・と私も緊張しました。一歩間違えば悲惨です。
しばらくの沈黙の後、パチン!と音がして無事フックが折れました。
はぁ~っと二人ともため息。
後は簡単です。
フックを抜いて、一件落着。
友人は「釣りはやめて帰ろうか?」「抗生物質とか飲んだほうがいいんじゃないか?」と言ってくれましたが、苦労してこのリザーバーまでたどり着いていたので、私は「このまま釣りを続けよう!」と言い張りました。
結局釣りを続けて、その日は私も友人も三匹ずつで終わりでした。幸いその後化膿したり腫れたりすることもなく、何事もありませんでした。
くどいようですが、ルアーが木にひっかかったとき、強くあおってはダメです!
腕に刺さった私はラッキーだったかもしれないのです。顔や目に刺さっていたら、間違いなく病院送りになります。
自分には当たらなくても、同乗者に当たるかもしれません。
どうしてもあおって外す必要があるのなら、よける準備をしておくか、ライフジャケットなどをシールド(盾)にするべきです。
私はこの件があって以来、ボックスには必ずペンチを入れるようにしてます。
最近はフローターが主なので、道具はルアーをメインに最小限にしたいのですが、ペンチは欠かしていません。自分ではなく、誰か他の人のフックを外すことがあるかもしれないし。
何よりもまず、刺さらないように注意することが肝心なのは言うまでもありません。
くれぐれもお気をつけ下さい。