カラオケに限らず、歌に関心のある人なら腹式呼吸は常識になっています。
管理人のような素人でも、歌う際は(何となく)お腹での呼吸を意識しています。
しかし、実際に腹式呼吸ができているかどうかは、極めて怪しいものです。
正しいやり方かどうかは自己判断できませんし、あくまで「何となく」なのです。
雑誌「カラオケファン」2016年10月号に、腹式呼吸についての記事がありました。
伊藤雪彦さんの「カラオケQ&A」のコーナーで、「腹式呼吸がうまくできない」という読者からの質問に、伊藤さんが回答されていたのです。
それがかなり意外かつ、わかりやすい内容だったので、ポイントを紹介します。
「お腹をへこませたり膨らませたり」という、腹式呼吸のイメージが覆るかもしれません。
読者さんの質問です。
伊藤先生のおっしゃる、仰向けに寝てお腹に本を載せる方法も試してみましたが、うまくできません・・・。
もっと初心者向けの練習法を教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
伊藤さんの回答です。
(管理人が一部内容を要約しています)
腹式呼吸は舌根を下げると簡単にできます。このコーナーで何度も解説させてもらってます。
腹式呼吸でなくても歌えますが、(中略)歌の最後を「大きく!」とか「スケール感を出して!」とかができないのです。「なぜ?」それは腹が働いてくれないらです。今ひとつ、説得力のある響きも出せません。
そこで手鏡を用意して、口の奥を写してみて下さい。
のどチンコ(口蓋垂)が見えないなら、腹式呼吸はできません。舌根が下がっていて、のどチンコが見えていれば腹式呼吸は可能です。
■舌根を下げる方法
アゴやのどに力を入れては、舌根は下がりません。
肩・首の力を抜き、楽な姿勢でアゴの下(柔らかい部分)に軽く指を添えて唇を軽く閉じ、鼻から思いっきり勢いよく息を吸い込んで、その時にアゴが膨らむ形を覚えましょう。舌根が下がっている形です。
その形で口を開けて鏡をのぞいてごらんなさい。舌根が下がってのどチンコが見えるでしょう!
(注意)
舌根を下げておなかへ息を吸うと、慣れるまで目が回る人がいます。少しずつ練習して慣れて下さい。最初は声もぼやけます。
これも唇や舌の働きで補いますから、急がないで舌根を下げたままで息が吐けるように練習して下さい。
これまでの腹式呼吸のポイントとはだいぶ違う、と感じる方も多いのではないでしょうか。
伊藤さんの解説を続けます。
私がこのコーナーで唱えている、息をいっぱい吸って口を開けても息が出ていかない形(基本の形)をつかみましょう。
それができたら、次は「ホッ」と吸って腹で止め、さらにその上へ2回「ホッ」「ホッ」と吸い込み、全部吐き、2回吸ったところまで勢いよく1回で吸います。
この練習の繰り返しで、ブレスの量を増やすことができます。
以上の練習を繰り返すと、「スケール感」のある歌が歌えるようになりますよ。
かなりわかりやすい説明ではないでしょうか?
引用元の「カラオケファン」2016年10月号124ページには、図での解説もあります。
さらに理解を深めたいなら、参照してみて下さい。